ユービーセキュアで働く一人ひとりのストーリーと本音に迫る連載「だから、ユービーセキュア。」。今回は、コンサルティング事業本部で脆弱性診断サービスを担う渡邉 加奈子さんに語っていただきました。
渡邉 加奈子
コンサルティング事業本部
サイバーセキュリティコンサルティング二部
2022年中途入社。前職は海上自衛隊で艦船関連の仕事に従事。現在は脆弱性診断やAttack Surface調査、サービス開発などを担当する。社内の部活動にて「日本伝統文化部」を立ち上げ、積極的に参加している。
これまでの人生を振り返ってみると、私を大きく成長させてくれたのは、常に言葉でした。支えてくれた家族や心豊かな時間をくれた同期や先輩後輩、さらには前職である海上自衛隊時代の指導教官たち――。彼らの何気ない会話から組織のスローガンや講話まで、一つひとつの言葉が積み重なり、今の私を作っています。
なかでも私の価値観の“源泉”ともいえるのが、海上自衛隊の幹部候補生時代に出会った海将補※の言葉です。それは「与えられたリソースのうち、まずは仕事でしっかり還元し、残りのリソースで学び、人生を豊かにする」というもの。実際には、「もらったお給料分をしっかり国民に還元したうえで、自己成長への投資に回す。さらに残った部分でハッピーに生きてみましょう」という語り口でした。
※海上自衛隊の幹部自衛官の階級の一つ
その方は本当にユニークで、バックグラウンドや人柄も相まって、この言葉が記憶に残っています。当時の私は、リソースを分配して使うという発想すら持っていませんでしたが、「自分のリソースを複数の使い道に分けるという考え方があるのか」と、気付かされた瞬間でした。その言葉を繰り返し考えていくうちに、自分のコアとなる価値観として根付いてきました。
自衛官の経歴を話すと驚かれることもありますが、実は明確な動機があったわけではありません。当時は、自分の可能性や選択肢を広げる一心で、防衛大学校から海上自衛隊へと歩みを進めました。
昔から周囲に「芯がある」「タフだね」と言われてきましたが、譲れないこだわりや強い信念があるわけではありません。自分なりに分析すると、特別な何かを持っているというより、折れないこと自体がアイデンティティの土台になっているのだと思っています。
そんな私の大きな転機は、多くの人との出会いです。規格外の体力の持ち主や、頭の切れる戦略家、磁場を持つように人を引き付ける人。愚直に努力を続けられる人、どんな状況でも冷静さを失わない人。明らかに自分とは次元が違うと思うこともあり、多種多様な能力を持つ方々と過ごすなかで、「自分には突出したものはない、努力しても埋められない差がある」ということを体感しました。
しかしその経験が、周りの環境を理解し、与えられた役割を自分なりに全うすることの重要性を気づかせてくれました。それ以降、“自分だからこそ発揮できる”戦い方や対応力、光る部分を探り、深めるようにしました。また、周りの人のそれぞれの能力を発揮できるような土壌を作ることに注力したいと考えるようになりました。
そうした意識の変化と重なるように、海将補の言葉も自分の中で輪郭を持ち始め、「自分の力をまず着実な成果に、残りを未来の投資につかう」という価値観につながっていったと思います。
対価と期待をいただいた分の成果を出すのはもちろんですが、組織と自分自身の成長のためには、日々投資を積み重ねていくことが大切です。「いつか実を結ぶだろう」と信じて、自身にできることを一つひとつ積み重ねてきました。
海上自衛隊からセキュリティ業界への転身も、私にとってはそんな挑戦の一つです。
現在は、様々な業界の企業に向けて、脆弱性診断やAttack Surface調査などを提供しています。今年で入社4年目、業務範囲や裁量も大きくなり、ここ数年はサービス開発にも携わっています。
Attack Surface調査は、簡単に言えばインターネット上に公開されている情報を精査し、攻撃者の視点から組織の潜在的なサイバー攻撃の脅威を調査・報告する業務です。レピュテーションリスクの高い事象や攻撃の足がかりとなる事象、それに対する対策案などを提案しています。
サービス開発業務では、お客様の真のニーズに寄り添えるように日々奮闘しています。というのも、現場で課題があったとしても「この場面でこれができなくて困っている」と具体的に言語化するのが難しいケースも多くあります。そんな深層的な課題を吸い上げるために大切にしているのが、自分の業務や日常で感じた改善したい要素を意識的に挙げていくこと。こうした習慣は、お客様に“+αの価値”を還元するための基盤になると思っています。
また、長期的なスキルアップや後進のための時間も意識的に設けています。案件対応中に新しい手法を試してみたり、ニュースや関連書籍に目を通したり。特に、この4年間で得たナレッジをドキュメントに書き出す作業は、自分自身の認識や思考の整理にもつながっていますね。
セキュリティの世界に飛び込んでから約4年。振り返ってみるとあっという間でした。当初は異業種からの転職で緊張を胸に秘めながらも、多くのお客様と接するうちに、着実に成果を出すことと“その先”を考える熱量が、信頼や安心感につながっていると実感しています。
サイバーセキュリティ分野は、技術の最適解はあっても、ビジネスにおいては最適でないこともありますし、それを個々に突き詰めていては時間もリソースも足りません。限られたリソースのなかで最適化していくために、今やるべきことを着実にこなしながら、全体を俯瞰して次の一手を仕込んでおく視点が欠かせません。目先の対応や形式的な正しさにとどまることなく、お客様や社会に貢献していきたいです。
自分は凡人──。そんな私だからこそ経験を積んでいくことで、出会った方に勇気を与えられるような存在になれるかもしれない。私の働き方や考え方を通して、「自分も前に進めるかも」と思っていただけるとうれしいです。
マイブーム
昨年末、所属する「日本伝統文化部」の活動の一環で、盆栽教室に初めて行きました。持ち帰った盆栽を大切に育てているのですが、すぐに苔の一部を枯らしてしまい、奥深さを感じる日々です。まだまだ先は長いので気長に育てていきます!