ユービーセキュアで働く一人ひとりのストーリーと本音に迫る連載「だから、ユービーセキュア。」。今回は、プロダクト事業本部 プロダクト事業推進部の部長であり、脆弱性診断ツール「Vex」のプロダクトオーナーも務める松浦 孝征さんに語っていただきました。
松浦 孝征
プロダクト事業本部 プロダクト事業推進部
2013年中途入社。前職は家電量販店での販売や留学コンサルティングといったBtoC業務に従事。現在はプロダクト事業推進部の部長、および脆弱性診断ツール「Vex」のプロダクトオーナーとして、開発方針の決定からプリセールス、製品サポート、教育まで顧客支援全体を統括する。元々はVexのユーザーの一人であり、ツールをパズル感覚で使いこなす面白さに惚れ込んで入社した生粋の「Vexファン」。
実は、開発の仕事をしていた頃、ユービーセキュアの診断業務を通じて初めてVexに触れました。当時は今みたいに自動化されていなくて、自分で複雑な設定を組む必要がありましたが、それがパズルや謎解きみたいな感覚で、私の心をくすぐるものでした。設定を解明できるたびに周りに自慢したくなるほど、すっかりVexファンになっていたのです。
自分が本当に良いと思ったツールだからこそ、もっと使いやすく改良し、お客様にもその価値をきちんと伝え、使いこなしていただきたい――。
そんな想いが私の原動力です。ただ作って終わりにするのではなく、お客様の元へ確実に価値を届けるために走り続けた結果、現在はプロダクト事業推進部の部長とVexのプロダクトオーナーを兼務しています。製品の開発方針の決定から、プリセールス、導入後のサポート、そして教育トレーニングまで、お客様にVexをお届けして支援するプロセス全体を自ら回しています。
私が最も大切にしているのは、「お客様のシステムを止めるような致命的なバグを絶対に出さない」ことです。脆弱性を見つけるはずのツールが、お客様の運用や利益を止めてしまうことがあってはならない――。
そう強く誓う背景には、過去の苦い経験があります。かつて一度、Vexの不具合でお客様の運用業務に影響を与えてしまった際に、夜通しで影響範囲を調べ上げてバグを直し、謝罪やリリース対応に奔走しました。
正しく動作することが当たり前の製品だからこそ、お客様に安心して利用いただくための品質保証や、有事の際のサポート体制には、人一倍こだわっています。
プロダクトを作っていく中で、開発やサポートのメンバーと意見が衝突することは毎回のようにあります。かつては、トップダウンで「これでやって」と進めることもありましたが、そうするとメンバーとの関係がギクシャクしたり、うまくいかなかったときに信頼を失ってしまったりすることもありました。お互いに「なぜこの機能がいいのか」をきちんと納得して合意しないと、しこりが残りますからね。
その反省もあって、今は意見が食い違っても安易に妥協せず、丁寧にすり合わせるようにしています。例えば、リリースが迫る中で「スケジュールを優先するか、品質や機能を追求するか」という難しい局面でも、「今回のリリースで本当に届けるべき価値(必須要件)はどこか」を開発メンバーと細かく話し合っていますね。
なぜかというと、作り手自身にも製品への愛着を持ってほしいからです。私がVexを愛しているように、メンバーも「自分事」として納得して作ってこそ、お客様に響くものができると思っています。
私がプロダクトマネージャーになった頃、機能面において一つ大きな決断をしました。当時、社内には10年以上前から溜まっていた2,000件近い機能要望があったのですが、思い切ってそれを一回全部リセットしたのです。
当時サポート側にいた私は、お客様に一番近い場所で「新機能が必ずしも受け入れられていない」という現実に直面していました。現場のお客様が本当に求めていたのは、複雑な新機能よりも「今ある機能の使いやすさ」や「自動化による手間の削減」だったからです。一度白紙に戻し、今のお客様が本当に必要なものだけを実装していく方針へと切り替えました。
特にこだわっているのが「サポートへの姿勢」です。どんなに優れたツールを作っても、お客様が使いこなせなければ、本来の価値は届きません。私自身、かつて一人のユーザーとしてVexに触れたとき、検査というものが実際何をしているのかを理解し、検査業務の知識や意義に気付きました。そして、その業務をVexなら楽しいものにしてくれると思いました。だからこそ、「せっかく導入していただいたのに、操作が難しいという理由で挫折してほしくない」「初めて触る方を絶対に置いてきぼりにしたくない」という強い願いがあります。
この仕事を長くやっていて一番うれしいことは、お客様とツールを通じた長いつながりがもてることです。10年前に私がトレーニング講師として教えていた初心者のお客様が、今では企業の部長さんや業界の著名人になり、「あのとき教えてもらいましたよね…」と言い合いながら、今でも親密な交流が続いているのは、この仕事ならではの喜びですね。
長くお付き合いのあるお客様の中には、あえて自動化機能を使わず、新入社員に手動で操作させて「セキュリティ教育用のアプリ」としてVexを使っている企業様もいらっしゃいます。ツールが単なる検査目的を超えて、お客様の組織や教育にまで根付いていると知ったときは驚き、うれしかったです。
これからもお客様に寄り添い続けるために、私には実現したい未来があります。それは「セキュリティが厳しい環境だから」と、お客様に何かを諦めさせないこと――。機密情報を扱うお客様にとって検査品質は不可欠ですが、だからといって手軽さを諦めてほしくありません。利用環境の制約を越え、お客様がやりたいことを安全に実現できる選択肢を広げていきたいと思います。
私にとっての信頼とは、「自分たちが自信を持って製品を勧められること」と「致命的なバグを出さないこと」の2つです。この2つを追求する哲学があるからこそ、Vexはただのツールで終わらず、お客様と長く深い関係を築いていけるのだと確信しています。
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