
ユービーセキュアには「もう少し踏み込んで提案したい」「なにかプラスαできないか」とワクワクしている仲間がたくさんいます。今回の主人公は、サイバーセキュリティコンサルティング事業本部の鈴木さん。

鈴木 魁斗
サイバーセキュリティコンサルティング事業本部 サイバーセキュリティコンサルティング二部
ユービーセキュアに新卒入社後、脆弱性診断ツール「Vex」の検査シグネチャ開発に従事。2025年4月以降はシグネチャ開発の知見を活かし、Webアプリケーションの脆弱性診断業務を担当。
鈴木さんのトライは、セキュリティ関連のニュースや最新の技術情報を欠かさず収集し、週次で全社に展開すること。業界の小さな変化や兆しをいち早く察知して知らせる彼の取り組みは、“情報センサー”としてユービーセキュアの社員の仕事を下支えしています。どんなきっかけで情報収集を始め、どう工夫し、どんな価値につながっているのか──トライの舞台裏を話していただきます。
WHAT 私のトライ
- 国内外の 50 以上の業界メディアや公式ブログから記事を収集
国内外のセキュリティ関連メディアの記事を読んで、日頃から最新情報をインプットしています。
情報収集には「RSSリーダー」を活用中。あらかじめ登録しておいたWebサイトやブログの更新情報を自動的に取得し、見出しや要約を一覧表示してくれる便利ツールです。
1日100~200本の記事が流れてきます
- 収集した大量の記事をカテゴリ(最新ニュース/技術情報/ツール/脆弱性/攻撃手法/インシデント事例など)ごとに整理して、5分で読めるダイジェスト版を作成
- 週に1回、社内のコミュニケーションツール(Slack)上に「今週の気になるセキュリティニュース」として投稿
Slackの投稿画面
WHY トライの理由
- きっかけは上司の一言「その“気になる記事”を一覧にしてみない?」
情報収集自体はもともと好きでやっていて、なかば習慣化した趣味のような感じでした。でも、あるとき上司から「まとめた記事を社内にも展開してみたら?」と勧められたんです。これがきっかけで、「なるほど、個人の趣味も共有すればみんなの知的資産に変換されるんだ」と気付いて。それから、集めた情報を全社へ発信するようになりました。
- たくさんの点を持っておくと引き出しが増え、それが線でつながっていくから
「情報収集が好き」というと、1から10まで調べ尽くしてすべて知っておきたい人……といったイメージを持たれがちなんですが、私はむしろ広く浅く情報をフォローしたいタイプです。人と話をするときに、「前にどこかで見聞きしたことがある話だな」と気付いたり、 記事を読んでいるときに「あ、これは前に読んだ記事にも出てきた用語だから、なにかつながりがあるのかな」と考えたり。幅広く情報を得て引き出し(点)を増やしておくことで、意外なところで線でつながったり、それがさらに面になったりして、視野を広げることに役立っています。

HOW プラスαのつくり方
- 記事数の増減からトレンドを読みとく
記事の内容を理解するだけでなく、そのトピックが記事として取り上げられた回数や件数の増減を見てトレンドや注目度を把握しています。例えば昨今では「FIDO」「Passkey」に関する記事を目にすることが以前に増して多くなってきました。これはFIDOやPasskeyによるフィッシング耐性を備えた認証技術の注目度が高まっていることの裏返しだと思います。そんなときは、もしもお客様から何かご相談をいただいたときにすぐ動けるように、事前に記事を読み漁って勉強します。これは、日頃の情報収集で感覚を養っておかないとできないことですね。 - 社内へ展開するのは、自分自身が信頼できる情報だけ
できる限り一次情報まで確認し、複数のソースを参照することを心掛けています。例えば、インシデントを報じるニュースを見つけたら、その記事だけでなく、実際にインシデントがあった企業の公式プレスリリースを確認すること。自分の目で見て読んで解釈して、腑に落ちた状態で共有することを意識しています。 - イベントで、リアルな体感センサーもスイッチON
オンラインでの情報収集だけでなく、セキュリティ関連のイベントがあればできるだけ現地に足を運びます。記事化された情報だけでなく、自分の目で見て、その場の雰囲気やセキュリティに関心を持った人々の熱量を体感することも重要だと思うからです。
2024年はアメリカ・ラスベガスで開催された世界最大規模のセキュリティイベント『Black Hat USA 2024』と『DEF CON 32』に会社費用で現地参加させていただきました。参加者の反応や雰囲気を体感できましたし、アフターパーティーでは同業の方々にたくさん出会い、「セキュリティ」に携わる人とのつながりを強く感じました。※参加レポートはこちらからご覧になれます(https://minnano.ubsecure.jp/20241018)
トライの成果
集めた情報を全社に展開してみたら、思わぬ成果がたくさんありました。まずはSlackの投稿に対する反響です。私が共有したニュースをきっかけに、その分野に詳しい人が関連情報を付け加えてくれたり、そこから社員同士の熱い技術トークに発展することがよくあります(笑)。ユービーセキュアにはセキュリティが大好きで勉強熱心な人が多いので、ニュースの投稿を投げたら、何倍も深い「知見」になって返ってくる。そんな“知識のブーメラン”を受けられることも、楽しみの一つですね。
営業担当から「このまえお客様との打ち合わせでこんな話題が出たよ」「このトピックのご相談が増えているから、注目度が高まっているかも」といった情報が入ってくることもあります。

黙々と情報収集を続けるのではなく、個人の枠を超えて会社全体の資産にしようと一歩踏み出すことで、より価値のある情報に代わるような気がします。これからも社内の情報をつなぐハブのような存在でありたいと思います。